- #2020
- 菊川研究農場 商品開発部育種二課
農学部農学科卒(入社4年目)
菊川研究農場でネギの育種を担当しています。新品種を育成することが目的ではありますが、常に隣り合わせとなる仕事は、作物の栽培管理です。圃場での栽培管理ができてはじめて、品種を評価することができます。
現場の農作業を経験しているからこそ、生産者の苦労を理解し、気持ちに寄り添った品種を育成できると考えています。
いること、やりがいは? Question #2
産地の方々と関わることが、私にとってのやりがいです。私の仕事では、全国各地のネギの産地へ出張する機会が多くあります。そこでは、生産者の方々の話を聞いたり、圃場を確認したりして産地のニーズを探り、自分の品種づくりに役立てます。生産者の方々は、忙しい中いつも暖かく迎えてくださり、多くのことを勉強させていただきます。
そんな生産者の方々を支えたいと考えたとき、自分の仕事にも熱が入ります。生産者の要望に添える品種を育成するため、今後も、産地との繋がりを大切にしていきます。
又は一番思い出に
残っているエピソードは? Question #3
自分で育成したネギを、最初に収穫した日はとても印象深いです。担当になったばかりの頃は、先輩社員が作ったネギを評価する作業が続きました。そこで色々なことを勉強しなければなりませんでしたが、自分の作ったものではないため、正直、心の底から興味が持てずにいました。
ようやく、自分で交配してうまれたネギを、長い栽培期間を経て収穫したとき、「この子どもは、親からこんな形質を引き継ぐのか~」とか、「こういう組み合わせをすると、こうなるのか~」など、色々なことがつながって、いつまでも見ていたくなった気持ちを忘れられません。
やはり優良な品種が簡単に見つかる訳もなく、同時に育種の難しさを知った日でもありましたが、時々あの日のワクワクを思い出して、仕事のモチベーションを上げています(笑)
頭脳派な面と、肉体派な面を、どちらも持ち合わせているところが魅力だと思います(笑)
この仕事は、学術的な知識が求められる、専門性の高い職種です。時には育種についての知見を広げるため、学会などに参加することがあるし、先端的な科学技術にも関わるため、知的なイメージの強い仕事です。
一方で、先ほども話した通り、圃場へ出て、体を動かして仕事をすることも多くあります。毎日農作業で汗を流し、家では農場で採れた野菜を沢山食べる。こんな生活がとても健康的だし、屋外で、季節の移り変わりを肌で感じながら仕事をすることに、豊かさを感じます。東京で育った私にとっては、こういったことも魅力の1つです。オフィスで働くサラリーマンには経験できません!
いわゆる“研究職”のイメージとはだいぶ異なるかもしれませんが、マルチな能力が試される、とにかく飽きない仕事だと感じています。
生産者の方々の生活を支えられるような品種をつくることです。生産者の方々は、色々な問題から作物を守るため苦労されています。病気や害虫、異常気象などによって、作物が畑まるごと枯れてしまうことだって少なくありません。圃場の環境に合わせた品種選定、農薬や資材の利用などでそれらに対処しますが、その中でも、種の品種がもつ役割は大きいと考えています。
悪条件にも耐え、収穫できる状態まで強く育ち、生産者がちゃんとお金を儲けることができる、こんな品種づくりを目指しています。
ある一日の過ごし方Time Schedule
- 07:50
- 出社
- 08:00
- 品種試験の播種
- 12:00
- 昼休憩
- 13:00
- 苗の薬散
- 15:00
- 圃場の耕耘
- 17:30
- 退社
※このインタビューは、2022年7月に実施したものです。